YAMADA TAISHI’s diary

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【雑記】携帯型ゲーミングPCの時代の到来しているかもしれないという話

こんにちは、やまだたいし( やまだ たいし (@OrotiYamatano) / X )です。
TGSなどを巡って携帯型ゲーミングPCの時代の到来しているかもしれないとぼんやり思ったので
今回は何となく記事化しました。

目次


携帯型のゲーミングPCの新時代の到来


ゲーム業界人として
携帯型のゲーミングPCの新時代の到来を感じている。
ハンドヘルドゲーミングPC、ポータブルゲーミングPC、携帯型ゲーミングPC……呼び方はいくつかあり、
この種のデバイスにはまだ確立された名前はないが、一般的に「携帯型ゲーミングPC」と呼ばれ始めている。
私はコレが流行る。そう確信している。
そういえる根拠はいくつかある。

日本PC市場の拡大


まず注目すべきは日本でPCゲーム市場の成長だ。
2023年のSteamのトップセールスの約20%は日本のデベロッパーによるもので大きく成長した。

www.famitsu.com

日本でのPC市場は活発になってきており、2021年にはPCゲーム市場は3年間で約2倍になっている。

pickups.jp

上記の記事にあるように日本のゲーム市場規模2兆円のうち、PCゲームが占めている割合でみると約6.6%にとどまっているが、
最新の調査では日本約5400万人のゲームユーザーに対し、PCゲームユーザーは約1406万人と推定され26%近くのユーザーがPCゲームをプレイしているようだ。

gamemakers.jp

また近年は、各ゲーム会社のプラットフォームを問わないマルチプラットフォーム戦略がPCの市場の成長を後押しをしているように感じられる。
マルチプラットフォーム戦略を行うのはコンシューマーゲームデベロッパーだけではなく、スマートフォンゲーム会社にも及ぶ。
近年スマートフォンゲーム業界も今は下火になりつつあるが事業拡大としてマルチプラットフォーム戦略を取り入れる所も少なくない。
スマートフォンにおける取引は、Google PlayiOS App Storeなどの大手ストアを介して行われ、その手数料は規模に応じて最大30%にも達する。
対照的にSteamの手数料はわずか5%である。
スマートフォンゲームはハイエンド化の一途を辿り、スマートフォンの性能も向上しているが、各社のゲームのパフォーマンスは限界に達している。
これにより、PCでスムーズに動作するゲームを求めるユーザーが増加し、ゲーム開発企業もPCへのシフトを加速している。

PS5の価格や市場普及がユーザーに期待に応えられなかったことも、PCゲームのシェア拡大に寄与しているだろう。
現在、PCでのゲームプレイが十分だと考えるユーザーも増えている。

そんな中、各社マルチプラットフォームを謳うためには、どうしてもローエンド規格に合わせての開発になる。
スマートフォンゲーム開発の場合はスマートフォンに、
近年のコンシューマー開発はSwitchのスペックに合わせることになる。

Switchはプラットフォームの中でもひときわスペックが低い。
各ゲーム会社のボトルネックになりローエンドでの挙動を強制させた。
これにより、ハイエンド向けであったPCゲームも、ローエンドPCで十分に動作するゲームが増えた。

それは携帯型ゲーミングPCで手軽に遊べるゲームがかなり増えたことも意味する。

コロナの収束


これらの事を踏まえてもそうだが、まだ理由がある。
コロナの収束だ。
コロナの収束と携帯型ゲーミングPCの市場動向との相関については、一見、明確な関連性が見られないかもしれない。

大いにある。
コロナは半導体価格に大きく影響した。
半導体の不足は、これらのデバイスの生産においてボトルネックとなっており、ユーザーに手頃な価格のオプションを提供することが困難であった。
しかし、パンデミックの現在の解決に伴い、半導体の価格は前例のない下落を経験している。
特にGPUの価格下落が凄まじい。
その結果、モバイルゲーミングPCの市場を支配するための価格競争が始まる、あるいはすでに始まっている。
将来、優勢な開発会社が現れれば、モバイルゲーミングPCの市場シェアは大幅に増加すると私は考えている。

インディーゲームへの注目


インディゲームの人気が高まっていることも、PCゲーム市場の拡大に貢献している。
多様なプラットフォームでインディゲームが楽しめるようになり、その名前を広く聞くようになった。
インディゲーム開発は、個人または小規模なチームで行われることが多い。そのため、大手コンシューマープラットフォームでのゲームリリースは困難な場合がある。そこで、パブリッシャーと契約してゲームをリリースするケースが増えている。
更には近年では講談社集英社など各出版業界がそこに乗り出していたりと活発だ。
しかし、パブリッシャーとの契約にはトラブルが伴うことも少なくない。
魅力的な提案を裏にボッタクリを行うパブリッシャーもいる。

この背景から、手軽に自力でリリースできるPCストアがインディゲーム開発者にとって魅力的なリリースプラットフォームとなっている。
こうした背景から低価格で質の高いゲームが集まりやすい。
ゲームを探求するゲーマーにとっても魅力的な場所だ。

PCゲーム市場の拡大に伴い、インディゲームの数も増え続けている。
インディゲームはロースペックで動くゲームが比較的多く、その中には、ファミコン全盛期を彷彿とさせるような粗悪な作品も含まれているが、返品システムや評価システムが整備されているため、ユーザーは安心してゲームを購入できる。

そうしたPCゲーム市場の動向を踏まえ、携帯型ゲーミングPCの到来は、これらのトレンドが交差するポイントに位置していると言える。
ハイエンドなゲーミングPCを手に入れることが難しいユーザーにとって、携帯型ゲーミングPCは手頃でパワフルなオプションを提供する。

しかし、一方で、任天堂などの大手ゲーム会社が、インディゲームに優しい、かつ安価なプラットフォームを展開した場合、市場の動向は大きく変わる可能性がある。日本のゲームユーザーは、価格と利便性を重視する傾向があり、これらの要因が携帯型ゲーミングPCの市場拡大を阻む可能性も考えられる。

私の見解としては、携帯型ゲーミングPCの市場がどれだけ拡大するかは、価格競争と、それに伴う製品の品質と機能にかかっていると考えている。
市場はまだ成熟しておらず、これから数年間で大きな変動が予想される。
その中で、ASUSなどのメーカーは、品質と価格、そしてゲームのプレイ体験を最適化することで、市場での優位性を築くチャンスを得るであろうと私は思う。

まとめ


これらの動向を総合的に捉えると、携帯型ゲーミングPCの市場は、今後数年間で急速に拡大する可能性が高いと言える。
各メーカーの戦略と革新私たちプレイヤーが手にする新たなゲーム体験が、私たちのエンターテイメントの未来をどのように彩るのか。
その展開に、私は大いに期待している。